「願いは一つ」 BYぴーこさん



「高耶さん、ただいま帰りました」

「おかえりー」

いつも、直江が帰って来るとすぐに迎えてくれる高耶の声が、やや離れたところから聞こえた。

「高耶さん?」

少しの寂しさと不信感を持ちながらダイニングをのぞくと、はたして高耶はそこにいた。

「何をしているんですか?」

「見ればわかるだろ」

高耶の手の中には、折り紙があった。

そして、周りには完成品とおぼしき、やはり折り紙でできたもの。

切込みの多く入った物、輪をつなげて鎖状にしたもの、星型のもの。それにただ、長方形に切っただけの物。

「ああ、今日は七夕だったんですね。すっかり忘れていました」

「千秋がさ、笹持ってきてくれたんだ」

高耶しか見ていなかった男が視線をめぐらすと、なるほど2メートルくらいの高さの笹があった。

「直江は願い事、なに書くんだ?」

「私も書くんですか?」

そう問うと、高耶がじろりと睨んだ。

「1人で書いてもつまんねーだろ」

「…そうですね……あなたとずっと一緒にいられるように。ですかね」

「ばっ…!…恥ずかしいやつ」

「高耶さんは、なんて書くんです?」

直江がニヤニヤと問うてくる。


その顔にはありありと「わたしと一緒にいられるようにって、書いてくれるんですよね」と書いてある。

しかし、あえてそれを無視して、

「んー、疲労回復かな」

疲労の元は、大きく肩を落とした。

 


そして、その夜。

今日もしっかり疲労していた高耶は、居心地のいい腕の中からそっと身を起こした。

23時40分。まだ「8日」になっていない。

高耶はほっと息を吐いて、ベランダに出ると、空を見上げた。

銀の星の帯が長くたなびいており、その両側に、一際輝く2つの明き星がある。

織姫と、彦星。

年に1度きりしか会えない二人に願うのも何だかおかしいけれど。

心から、願う。

そっと、小さく、呟く。

「どうか、直江とずっと、永遠に一緒にいられますように」
 

Fin
 


もう・・・・申し訳ないです。(><)余裕で七夕に間に合う時に頂いていたのに、1ヶ月以上もUPできませんでした(><)ホントにごめんなさい;;
でもありがとうございました☆嬉しかったです〜〜vvあまあまな直高vvってか、じゃれてる二人vv高耶さんが可愛い〜vvvv
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