「つたわるきもち」 BY真波さん
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休日の昼下がりのリビング。 直江は仕事を持って帰ってきていないし、高耶も家事は終わらせてしまった。 ベランダでは洗濯物が緩やかな風に吹かれてはためいている。 直江は読んでいた経済紙から目を上げた。 足元では高耶が直江の足にもたれてじかに床に座り込み、バイク雑誌に 見入って いる。 その耳には何故かイヤホン。 伸びたコードの先は直江が座っているソファの端の方に投げ出されている MDウォークマンに繋がっていた。 リビングで音楽を聴けない訳ではない。 コンポこそ置いていないが、それは高耶が自室からコンポを持ってくれば済む事 なのだ。 現に何度かそうしているのも見かけた事もある。 掛けている曲に直江が文句をつける訳でもない。 直江からすれば高耶が気に入っている曲なのだ、一緒に聴き入る事はあっても 文句を言う事など考えもつかない。 直江の逡巡をよそに、高耶は安らいだ表情でのんびりと雑誌のページを捲っている。 ・・・・・・・・気になる。 「高耶さん、何を聴いているんですか?」 直江の問いかけに、高耶は上を仰いだ。 「ひみつ」 高耶は上機嫌で雑誌に見入っている。 「高耶さん、せめてソファに座りませんか?」 顔すら上げずに高耶が言い放つ。 「だったらこれならどうです?」 高耶に素っ気無くされた直江は、実力行使に出た。 「お前さぁ・・・ いや、何でもない」 高耶は言葉を切った。 「これなら文句無いだろ」 そう言って直江の膝から下り、ソファに横向きに座り、足を投げ出して直江にもたれかかる。 「そうですね」 背中に直江の温もりを感じながら、高耶は雑誌を拾い上げた。 「言えなかった言葉、ですか」 言葉を濁す高耶。 「言わないと後悔するかも知れないじゃないですか」 確かに。
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真波さんに1周年のお祝いとしていただきました☆まさか管理人以外から1周年祝いがくると思わなかったので、嬉しかったですvv 何かほんわか〜*とした話で読んでてニヤけました(><)ほのぼの、好きです☆たかだかイヤホン相手に嫉妬(?)する直江が何かすごい良かった(笑)高耶さんも可愛い〜vって感じじゃなく、適度に男の子っぽくて、ゆの的ツボですvv 真波さん、ありがとうございました〜☆ |
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