「朝の風景」  BY橘由衣さん


直江が眼を覚ますと、胸の中の高耶はまだぐっすり眠っていた。しばらく高耶の
寝顔を見詰めると、高耶を起さないようにそっとベッドから出る。バスローブをまと
い、静かに寝室を後にする。
シャワーを浴びるとすっきりと眼が覚めた。服を着てキッチンに行き、エプロン
をつけて朝食の準備を始める。
だいたい朝食の準備が出来上がったのを確かめて、寝室へ戻る。高耶はまだぐっ
すり寝ていた。ほっと安堵しながら、高耶の横に身を寄せる。頬に優しく手を滑らせ
ながら、唇に触れるだけのキスを落とす。
「高耶さん?おはようございます。朝食の用意が出来ましたよ……。」
高耶の身体のあちこちに悪戯しながら、直江が耳元で囁く。
擽ったそうな笑みが先に浮かび、やがてゆっくりと瞼が上がる。
しかし起き上がる気配はなく、逆に直江を引き込む。
「今日は外出する予定でしょ?そろそろ起きたほうがいいですよ。」
くすくすと笑いながら直江が言う。
高耶は、直江の身体に巻きつけた腕を離そうとはせずに一言。
「……キス。」
直江の顔が近づき二人の唇が重なる。しばらく貪りあっていた唇がやっと離れる
と、上機嫌な高耶がやっと起き上がる。
素肌を曝してベッドから出ると、そばの椅子にかけていたバスローブを身に纏う
。それを見て直江は部屋を出て行った。
高耶もベッドルームから出てシャワーを浴びる。
さっぱりとした高耶が、普段着姿でリビングダイニングに入って行く。
高耶がシャワーを浴びている間に、直江が朝食の支度を全て済ませていたため、
テーブルの上には、もう食べるばかりの朝食が並べられていた。今日は和食だ。
直江特製の卵焼きも高耶を待っている。少し砂糖の入った卵焼きは、オムレツで
はないかと思うぐらいふんわりとしているのに、きれいに渦を巻いている。何度食
べても感心してしまう。
ちょっと小さめのダイニングテーブルに向かい合うと、頭をこつんとくっつけて、もう
一度おはようの挨拶をする。そして今度は背中を伸ばしていただきますを言う。ダ
イニングセットは、ちょっと窮屈なのを知りながら、わざと二人用のものにしている。
このテーブルは二人だけで食事をするためのもの。人が来た時はリビングのソファ
のテーブルで食事をする。
ちょっと手を伸ばせばすぐに届く距離で、向かい合ってほとんど顔がくっつきそうに
朝食を食べる。
有線の音楽が静かに流れる中、特に会話することもなく、穏やかな時間が過ぎて
いく。




橘由衣さんに、またまた頂いてしまいました! 砂糖菓子のようなあま〜い朝の一時でしたねっ。
このままだと「はい。あーん、高耶さん」とかやりそうな勢いです、直江っ!! わざと小さめのテー
ブルで愛を育む(!?)ふたり。素敵すぎっ☆

橘由衣さん、ありがとうございました〜vvv
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送